ホーム > ワクチンとウイルスについてワクチンとウイルスについて
このページは、非常に毒性の強い犬の感染性ウイルスと混合ワクチンについて記載します。特に感染性ウイルスの症状、治療法などは、多くの獣医の方々、メーカー、検査関係の方々にお聞きした内容をまとめて掲載しております。
内容によっては、一部の獣医などの方にとっては「違う」と考えられる場合もありますが、前述の通り複数の方のご意見をまとめた資料とご理解ください。
感染性ウイルスについて
1.ジスタンバー
(症状)発熱、食欲不振、鼻炎、下痢、激しい咳
◎内容
感染力が非常に強く死亡率も高いウイルスは感染犬の鼻水、目ヤ二、尿などに含まれ空気感染もする。呼吸器や消化器になどに障害を示し、進行すると脳炎を起こし神経系が犯されケイレンがおこったりもします。この病気は感染後数日で咳など軽度の風邪の症状がでて、数日で治り感染後2週間で発する。「人間の小児麻痺のワクチン」がきく場合がありますが、基本的には特効薬はなく、発症すると回復しても、後遺症が残るケースが多いです。検査方法は簡易検査キッドがありますが、検出率が30%と低いといわれています。確実なのは血液検査を検査機関に依頼する方法です。
2.パルボ・ウイルス
(症状) 下痢、嘔吐、食欲不振(腸炎型) 突然死(心筋炎型)
◎内容
ウイルスは感染犬の便中、チリやホコリに混じり一般環境の中では6ヶ月〜8ヶ月生存する力を持っています。非常に感染力が強く、かつ一般的な消毒薬では駆除できません。家庭用ハイターなどに含まれる次亜塩素酸ナトリウム系の消毒薬での消毒が必要となります。血液の混ざった下痢や嘔吐を起こす腸炎型があります。発症期間はパルボの場合、体内に入ってから2〜6日程度で発症します。ただ仔犬がワクチンを1〜2回接種した場合は、軽度の下痢が 続き、発症するのが1〜2週間かかる場合があります。
検査方法は@検査キッドによる検出、A血液検査による白血球の数値検査などからなります。検査キッドの場合は発症した野外株のウイルスでは数秒で陽性反応がでます。(ワクチン接種により反応する場合は数分かかります)ただし、潜伏期間などでは検査結果は陰性になりますので、ご注意ください。血液検査の場合は、白血球の数値の異常で分かります。潜伏期〜発症初期段階では白血球がウイルスと戦うため、数値が数万を表示します。(正常値は9000前後)発症初期後半以降の場合は、急激に白血球が減少し、2500を切りますと生命の危機に直面します。
3.アデノウイルス1型(犬伝染性肝炎)
(症状)発熱、下痢、嘔吐、鼻水、食欲不振
◎内容
ウイルスは感染犬の口や鼻、便、尿、唾液などから感染します。子犬には感染率死亡率ともに高く一晩で死亡することもあります。目が白くにごる事などの症状が見受けられますが、前述の2つのウイルスと比較して感染力は低いです。
以上ですが、それ以外にも@法定伝染病であるレプトスピラについては、発生地域が限定されている、 Aコロナ・ウイルスや犬パラインフルエンザ などのウイルスは、パルボ・ウイルスなどとの複合発症で重篤になる場合がありますが、単独では仔犬の体の状態が健康体なら死亡するケースは少ないので、ここでは内容を省略いたします。
パルボ・ウイルスの段階的症状と治療法について
基本的には、各種ウイルスに対する治療は概ね同一ですので、代表的なウイルスでありますパルボ・ウイルスの内容で記載いたします。
混合ワクチンの接種で抗体が高い子の場合は、発症しないか軽度の下痢などで終わりますが、抗体形成が低い子の場合は、ウイルスが体内に入ってから数日〜2週間で発症します。
(初期段階)
発症しますと、元気がなくなり動かなくなります。食事も残したり偏食が始まり軽い下痢が始まります。
この時期に感染が判明すれば仔犬でも死亡する場合が低いです。
この時期の治療は、インターフェロンを初日に1日2回接種し、それから2日程度続け、1日開けて2日程度続けます。
同時に、抗生剤の投与と体液の流出を軽減するためリンゲル液の背中への補液を行います。(ブドウ糖の投与はウイルス増殖の手助けになるため駄目です。)
また、体力を維持するため、胃腸に優しい経腸栄養剤などの強制給仕を行い、体力を落とさな
いようにします。
改善期間は母子免疫の高さ、予防接種の回数、本人の体力で回復の期間が変わりますが、仔犬で予防接種なしで自力で抗体を作った場合は、5〜6日で突然元気になります。ワクチンを2回程度接種していますと、ワクチン抗体でウイルスと闘うため、自立抗体よりも回復までの期間が長くなり1〜2週間で元気になります。
(中期段階)
この時期になりますと母子免疫やワクチンの接種回数により中期への以降時期が変わってきます。
免疫力が弱い子やワクチン未接種の子は、発症後翌日には中期に突入します。
食欲が完全になくなり、頻繁に下痢をしてじっと動かなくなります。
この時期の対応は、血管点滴により6時間以上をかけてリンゲル液、インターフェロン、抗生剤
下痢止めなどをゆっくり体内に注入します。
短時間で接種しても、下痢や嘔吐などで対外へ排出してしまうため、血管からの点滴で接種を
行います。この時点で腸壁の崩れが進んでいますと栄養の吸収ができなくなるため、賭けに
なりますが、腸壁の改善のためステロイドと抗生剤の併用で対処します。ステロイドは、腸壁の
改善には大変即効性がありますが、副作用として一時的に免疫力を低下させるため、抗生剤との併用が
絶対条件となります。
発症後6日間ワンちゃんが頑張れば、二次感染となるコクシジュウムなどの原虫類の大量発生がなければ回復に向かいます。
(後期段階)
後期になりますと、血便と嘔吐を行い大変危険な状態になります。
この時期の治療方法は、他の犬からの輸血(白血球の改善)と血管点滴の併用となります。
混合ワクチンについて
仔犬の混合ワクチン接種(生後1年以内の対応)
従来は、初乳からの抗体や母親の母体内から受ける抗体などにより、生後40日前後に接種しても効果のない「捨てワクチン」といわれてきました。そのため、生後55日過ぎた仔犬に対して第1回目の混合ワクチンを接種してまいりました。
しかし、現在は、
「ファイザー社製のバンガード」というワクチンは、多数の獣医の先生に確認する限り、このワクチンは抗体形成期間が早いため生後40日での第1回目まの接種が可能になりました。
それから3週間〜1ヶ月経過して第2回目の接種をおこないます。ただ、2回目のワクチンのみでは完全な抗体形成ができませんので、当方としては3回目(2回目接種後3週間〜1ヶ月後)のワクチン接種を推奨しております。
3回目の接種を行えばパルボなどの毒性が強力なウィルス感染病に対しても十分な抵抗力ができます。
基本的な考え方として、1本目ワクチンで抗体のベースを作り(不完全ですが抗体もできます)、2本目のワクチンで抗体レベルを上げ、3本目のワクチンで抗体を完成させる形となります。
成犬の混合ワクチン接種(生後2年目以降の対応)
仔犬に接種した最終ワクチンの接種日から1年後に、2年目のワクチンを接種します。2年目以降は毎年1回の接種となります。ワクチンから形成される抗体は1年を経過しますと抗体レベルが低下しますので、再度抗体レベルを上げるため混合ワクチンの接種が必要となります。







